ゴミ屋敷清掃のための掃除術と整理&片付けのコツ

近隣に多大な迷惑をかけてしまうゴミ屋敷。家中のありとあらゆる場所に物が溢れかえってしまったゴミ屋敷を元の状態に戻すのは至難の業です。

しかし、程度が深刻でなければ、一般の方でもゴミ屋敷状態の解消が可能なこともあります。今回はゴミ屋敷に直面した際に知っておきたい実践的な清掃法や掃除術、整理整頓や片付けの方法についてご紹介します。まずはじめにゴミ屋敷のもつ問題点からお伝えいたします。

ゴミ屋敷の問題点とは?

ゴミ屋敷はその家の住人だけではなく、近隣の住民に対しても多くの問題を引き起こします。ゴミ屋敷には、掃除されずに残った多くの種類のゴミが存在しており、多くの場合その中に生ごみが含まれています。

害虫・害獣によるリスク

この生ごみは小動物や虫などのエサとなり、その結果ゴミ屋敷には大量のネズミやゴキブリが棲み付くことになります。これらの生き物がまき散らした糞尿によってゴミ屋敷の衛生状態はより悪化し、住人の健康状態に多大な影響を与えます。さらに発生した悪臭は周辺の住民にも被害をもたらします。

家屋の劣化・倒壊のリスク

また、ゴミ屋敷状態と化した家屋は、家中を覆いつくすゴミの影響によって急速に劣化します。特に、ゴミの蓄積によって湿気が溜まることで床や畳が腐食してしまうことが多く、思わぬ事故につながる可能性があります。

このようなゴミ屋敷のもたらす問題は、清掃作業の効率を下げ、また整理や後片付けを行う際の妨げにもなります。生き物が棲み付くことで生ごみが漁られ、これを片付ける手間が増え、さらには辺りにまき散らされた糞尿も掃除しなければならなくなってしまいます。

また、ゴミの蓄積によって溜まった湿気によって腐食した床は、作業中の危険性を増すため、作業を行う人は足元に注意しながら作業を行わなければならなくなってしまいます。ゴミ屋敷によってもたらされる問題を防ぐためには、できるだけ早い段階でゴミ屋敷を把握し、それに対処することがとても重要になります。

ゴミ屋敷が放置された期間が長くなるほど周囲に与える影響は大きくなり、ゴミ屋敷の状態を解消することもより困難になっていきます。ゴミ屋敷の対策は可能な限り早く行うことが問題解決の近道となります。

ゴミ屋敷を清掃するいくつかの手段

ゴミ屋敷の清掃手段は、ゴミ屋敷の規模によっていくつかのパターンが存在します。ゴミ屋敷の規模が比較的小さく、水回りなども十分に機能していて、その家の住人が最低限の生活を行えているという程度の場合は、特別な知識や経験のない人でも対処が可能です。

このとき最低でも3人の人手と100枚以上のゴミ袋、荷物の積載が可能な車を用意し、動きやすい服装で軍手とマスク、さらにエプロンを装備してゴミ屋敷からひたすらゴミを運び出しましょう。これはまだ使えるかもと思ったものでも、多くの場合目には見えない故障が生じていたり、悪臭が染み付いてしまっているので、思い切ってすべて処分しましょう。

ある程度の役割分担をすることも重要です。例えば、ゴミを分別して袋に詰めていく人と、そのゴミ袋を外に運び出す人というように分担することで、作業効率を大きく向上させることができます。

また、大量のごみを家屋から持ち出すことになるので、周囲の理解を得るとともに自治体のごみ処理場に大量のごみの持ち込みについての許可をもらっておきましょう。そうすることによって、大量のごみの処理をスムーズに進めることができます。

さらに、時間的な余裕を持たせておくことも重要です。ゴミ屋敷の規模にもよりますが、多くの場合ゴミ屋敷の清掃は1日では行えません。どんなに円滑に作業を進めたとしても、全ての作業が完了するまでには最低でも2~3日が必要となります。よって、ゴミ屋敷の清掃作業を自力で行う際には、十分な作業時間を確保しておきましょう。

一方で、ゴミ屋敷の規模が大きく、家の外にまでゴミが散乱しているような場合には、素人での整理や片付けはとても困難になります。このような時には、専門の業者に掃除を依頼する必要があります。

ただし、最近では悪徳な業者による被害も増えているため、信頼できる業者をよく見極めて依頼することが重要です。ゴミ屋敷は実際の現場を見てみなければ、正確な見積もりを上げることはほぼ不可能です。

ホームページ上に掲載していた料金から、何らかの口実をつけて追加費用を請求する業者もいるようですので注意が必要です。

ひどい悪臭は一般の消臭剤では対処できない

ゴミ屋敷における大きな問題要因として悪臭が挙げられます。何年にもわたって存在するゴミ屋敷では、長い間掃除が行われないままゴミが蓄積し、その結果強烈な悪臭が家屋に染み付いてしまっています。

このような場合、市販されている一般的な消臭剤で臭いを消し去ることはほぼ不可能です。そこで、ゴミ屋敷の清掃作業を終えて整理が完了したのち、一般家庭用ではない強力な消臭剤を独自に購入されて使用する方もいらっしゃるようです。

しかし、製造元や成分がよく分からない薬剤は、環境だけでなく人体にも悪影響を及ぼす可能性があります。特殊な薬剤の散布には、正しい知識と経験が不可欠です。悪臭の程度が尋常でないと判断される場合は、専門の業者に一度相談してみることが重要です。