【専門業者が解説】遺品整理を行う時に気をつけたい注意点・トラブル

遺品整理は単なる荷物の整理とは異なり、法律面での影響が及ぶこともあるため慎重な対応が必要です。また、ご自身で行われる際にはご遺族間でのトラブル、業者に依頼される際には業者間でのトラブルへと発展する可能性もあるため、安易な判断は禁物です。この記事では、遺品整理で特に気を付けたい注意点について、専門業者の目線から解説いたします。

注意点1:遺言の確認

遺品整理をはじめる前に、まずは故人様からの遺言書が遺されていないかを確認することが最優先事項となります。近年では「エンディングノート」を生前に記される方も増えてきましたが、こちらも併せて確認することが大切です。

■遺言書 法的効力あり
■エンディングノート 法的効力なし

遺言書は記述する書き方が厳密に定められており、その内容は法的な影響力を持っているため、遺品整理に際しては、その内容に従った手配を行う必要があります。遺言書に対してエンディングノートは、フォーマットを自由に書くことができ、法的な効力はありません。しかし、そこには故人様の思いや願いが込められているため、できる限りそちらの内容に則することがご遺族間でのトラブル等を避けることにもつながります。

注意点2:遺品として残すもの・処分するものを決めておく

遺品整理を行う際に対象となるお品は、貴重品から生活用品、不用品までその種類は多岐にわたります。誤って処分してしまった遺品は、取り戻すことは現実的に難しいため、特に重要なものは混同することが無いようにしっかりと管理しておくことが大切です。遺品として遺すものか、処分するものかについては下記のページをご参照ください。

遺品整理

遺品整理とゴミ処分。大切なものと手放すべきもの

くわしくはこちらをご覧ください。

なお、相続したり譲渡する場合、高額なお品に対しては相続税や贈与税といった課税の対象となるケースもあるため、安易な判断をしないことが注意点となります。

貴重品・重要書類は確実に保管する

現金はもちろん、銀行の預金通帳、各種証券・証書、免許証や健康保険証、パスポートなどの身分証明書、印鑑(特に実印)等は、その価値・重要性だけではなく、行政への手続きが必要であったり法的な影響を受け得るものであるため、ご遺族の代表者様が厳重に保管する必要があります。親族間だけではなく、遺品整理を外部に依頼した際に業者とのトラブルにも発展しかねないため、貴重品や重要書類はしっかりと確認しておきましょう。

「形見分け」で遺品を分配する

故人様が生前親しくされていた間柄の方に、遺品を分配することを形見分けといいます。こちらは、日本独特の風習ですが、基本的に目上の方には形見分けを行わない、ラッピングは施さないといったマナー作法があります。また、高額なお品を形見分けされる場合は贈与税の対象となる場合もあります。単純に遺された遺品を分け合うものではないため、細かな注意点を確認しておきましょう。

重要な書類や貴重品は必ず親族と相談する

遺品整理を進めていくうえで、遺言書や土地の権利書、その他高額な貴重品等は、法的な効力が及ぶことが多く、また親族間でのトラブルに発展しうる要因でもあります。こうしたお品が見つかった場合は、安易な判断をせず、周囲のご親族の方と相談しながら決定を行うようにしましょう。また、「形見分け」を行って、ご親族・近しい間柄の方に遺品を分配するといった選択肢もあります。遺品の処分にお困りの際は、形見分けも検討してみましょう。

遺品整理

遺品整理をスムーズに行うために知っておきたい形見分けの手順と時期

くわしくはこちらをご覧ください。

遺品整理業者に依頼する場合の注意点

近年では遺品整理サービスを行う、リサイクルショップや不用品回収業者も増えてきたため、近隣の業者、特に料金が極端に安いところに依頼される方もいらっしゃいます。しかし、「激安!無料!」とうたっておきながら、作業完了後にさまざまな理由を並べ、費用を請求する悪徳業者も増えているため注意が必要です。

不用品回収業者とのトラブルが多発しています

遺品整理は単なるゴミ処分やリサイクルではありません。故人様が生前大切にされていたお品を、故人様を偲びながら礼を尽くして整理することです。しかし、そういった本来の意味を度外視して、単なる廃品・リサイクル品として扱う業者とのトラブルが発生しているのが現状です。国民生活センターには、下記のようなトラブル事例の相談が寄せられています。

無料と思って呼び止めたら、後で有料と言われた

「不用になった家電製品等を無料で回収する」とトラックでアナウンスしていた業者を呼び止めて、テレビの回収を依頼。家に来た業者は「回収費用は2000円かかる」と言った。「無料と言っていた」と言っても、「全て無料と言う訳ではない」と威圧的に言うので断れず、2000円を払って回収してもらった。領収書も渡されなかった。(60歳代 女性 無職)


無料と思って頼んだら、車に積んだ後で料金を請求された

「こちらは無料回収車です。お困りの粗大ゴミはありませんか」と廃品回収業者が回ってきたので自転車、石、カーペットなど結構な量を出した。次々と車に積んだ後、電卓を取り出したので「えっ、有料」と驚いて言った。リサイクル料金はかかると言われ仕方なく2万500円を支払った。(女性 家事従事者)


車に積んだ後で、見積りの2倍以上の料金を請求された

チラシに「見積り無料」とあったので電話をして来てもらったところ、引取りに10万円位かかると言われたが詳しい説明は無かった。品物は折りたたみベッドや本箱、パソコン、食器、キーボードなど15点位。全部運び出し、業者の車に積み込んでから「思ったより多かったので全部で23万円になる」と言われた。引越しを控えていたので今さら断れないと思い、納得できないまま全額支払った。領収書はあるが見積り書はもらっていない。(20歳代 男性 学生)


業者が回収した物が不法投棄されていた

「不用品回収します」と訪問され、パソコンディスプレイと自転車を渡して処分代金1500円を払った。後日、回収品が道路脇に捨て去られていた。(50歳代 男性 給与生活者)

上記のように、無料回収の旨を掲げて依頼を受け、その後何かしらの理由をつけて高圧的に費用を請求するケースが多くあります。さらに、回収した不法投棄するといった悪質なものもあります。特に、不法投棄されたお品の中に、個人情報を特定できる書類等が含まれており、また回収業者から領収書等の証拠の受け取りが無い場合、最悪のケースとして遺品の持ち主が法的な処罰を受ける可能性もあります。「無料だから。安いから。」といった安易な理由で業者に依頼すると、とんでもない被害を被ることにもなりかねないため注意しましょう。

曖昧な見積もり項目の有無をチェックしましょう

次に、遺品整理の専門業者へご依頼される場合に関してですが、最初の段階で提示される見積書は細部までしっかりと確認し、ご不明点などは必ず事前に確認するようにしましょう。特に曖昧な記載のある見積もり項目は入念なチェックが必要です。

不明瞭・曖昧な記載

見積もり書に「~の場合は別途」と表記されていることがありますが、こちらは状況によって追加料金が発生する可能性があることを意味します。お品の量や、建物の周辺環境、エレベーターの有無など、追加料金が発生するかは現場ごとに異なるため、作業が開始される前にしっかり確認を行いましょう。どのような状況において追加費用が必要なのかを、具体的に聞き出すことがポイントとなります。

追加費用が発生しやすいケース

遺品整理を行う際に、お品の細かな内容までリスト化することは現実的に不可能であるため、ご依頼者様ご自身も認識されていないものが出てくることがあります。しかし、中には処分を行う際に行政などに特別な届け出が必要な物品もあり、また、こうした場合は追加費用の対象となる可能性があるため、できる範囲で詳細を業者にお伝えされることが賢明です。

屋根裏・倉庫・物置などのお荷物

見積もり後、遺品整理の作業を進めている過程で、当初は気付かなかった場所(屋根裏・倉庫・物置など)のお荷物が出てくるケースがあります。見積もり依頼をされる前に、遺品が残されている場所を事前に確認しておきましょう。

注射器等の医療用品

故人様が生前ご自宅で療養されていた場合、点滴などでご使用になった注射器等の医療用品は、医療廃棄物の扱いとなり、一般の廃棄物と併せて処分を行うことができません。各都道府県によって詳細に多少の差はありますが、基本的には医療機関や薬局等で引き取りを行ってもらう必要があります。

灯油など発火のおそれがある危険物

倉庫や物置から、ストーブに使用するための灯油が出てくるケースは少なくありません。しかし、灯油は可燃性のある危険物扱いの対象となるため、通常の廃棄方法では処分ができません。なお、一般家庭でご使用される程度の量であれば、お近くのガソリンスタンドで回収を行ってくれるところもあるため、事前にそちらにご相談されることも選択肢の1つです。
また、古くなっていない灯油は、灯油販売店によっては買い取りを行っているところもあります。以上のように、単に遺品整理といっても詳細や注意点は多岐にわたるため、ご自身での判断が難しい場合は、専門業者に相談することをおすすめ致します。

弊社では訪問見積もり金額から追加費用は発生しません

弊社グリーンハートでは、訪問お見積もりは無料で行っており、提示させて頂いた金額にご納得いただいてから作業を開始致します。また、事前にお伝えする金額から追加費用を請求することは一切ございません。ご不明点等はお気兼ねなくお問い合わせください。